
EURO2024で優勝したスペイン代表。なかでもMVP級の大活躍をしたのが、ニコ・ウイリアムスだ。彼は不法移民の子である。
ニコの両親はガーナからやって来た。サハラ砂漠を渡り国境の高い金網をよじ登り、アフリカのスペイン領メリージャに入った。そこで難民申請をしたのだが、紛争地域出身だと追放されないので、「リベリア人」と嘘をついた。
■映画の主人公とニコの両親の共通点
このニコの両親の命懸けの冒険が実際どんなものだったか、の理解を助けてくれるのが、映画『イオ・カピターノ』である。

原題『Io Capitano』は「僕が船長だ!」の意で、ポンコツ船を操って欧州(イタリア)に着いた時の主人公の歓喜の叫びから名付けられている。ニコの両親が陸路での欧州入りだったのに対し、この映画の主人公セイドゥは海路で欧州入りをするわけだが、地中海を渡るのも命懸けだが、同じくらい命懸けなのが砂漠を渡ることだ。
脱落は死を意味する。
トラックで走る時は荷台から振り落とされれば終わり。徒歩の時は仲間のリズムに取り残されれば終わり。周りに助ける余裕はなく、間違いなく渇死する。ニコの母親は熱砂を裸足で渡ったそうだが、映画にもそんなシーンが出てくる。
IO CAPITANO | OFFICIAL UK TRAILER | IN CINEMAS APRIL 5 | Altitude Films
https://youtu.be/_tMsoa24i2U
船に乗っても溺死と渇死の危険は常にある。ろくに飲まず食わずの地獄行で、過酷な自然と戦い続ける。さらに悪いことに、移民を喰い物にする邪悪な人間とも戦わねばならない。盗賊、マフィア、人身売買組織……。
ニコの両親がやった金網登りも実は命懸けで、22年6月には将棋倒しや警官の暴力で37人が死亡し76人が行方不明になる悲劇があった。
>>2に続く
スペイン優勝と映画で考える、「不法移民とサッカー」
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/3112897a4f56080b2a80b97e0eab0215e5f77bc8
2:ばっかりさん\(^o^)/がお送りします 2024/08/19(月) ID:sakka-bakkar1
■「不法だから追い返せ」が通用しない理由
さて、こうして命からがら辿り着いた不法移民たちを私たちはどうするべきだろうか?
「不法なんだから追い返せ」という意見はスペインにもある。しかし実際、目の前で溺死もしくは渇死しかけている人をあなたは「追い返す」ことができますか? 赤ん坊を抱いた母親や保護者のいない未成年者もいるのに。
不法だから追い返せ、という理屈はわかるが、自分がその場にいれば「助ける」が自然な反応だと思う。
「海岸に移民の船が漂着してバカンス中の人たちが総出で救助した」というのがたまにニュースになる。救助した人の中には不法移民に批判的な人もいたことだろう。排外思想の持ち主でも人種差別主義者でも、目の前で人が死にかけていればミネラルウォーターを差し出したり、バスタオルで包んであげたりを反射的にしてしまうと思う。それが人間だ。
まず命を救うこと。移民政策の話は後ほどすればよろしい。

というわけで、不法移民であってもまずは救助される。病院につれて行かれ、衣食住を与えられる。そうして司法の判断を持つ。
もし国外追放という判断が出たら次なる問題が浮上する。中央アフリカから来た人たちをどこへ返すのか? 隣接するモロッコへか? ニコの両親はモロッコとの金網を乗り越えたが、「金網の向こうに返して終わり」で済むわけない。
>>3に続く
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